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2012年09月04日

Keyword by Philip G.Zinbardo,Ph.D.(1995)

http://www.jscpr.org/
http://www.jscpr.org/other/20120903announcement.pdf

統一教会/協会教祖(きょうそ)の死去(しきょ)にともない、
JSCPR・日本脱カルト協会(にほん だつかると きょうかい)より
声明(せいめい)を出しました。


(2)
 



マインドコントロールや説得のテクニックとは”


1 トータル環境下におく。

かつての中国共産党が戦争のときにアメリカ軍兵士を捕虜にとったとき使ったテクニック、とされる。支配したい相手を社会的接触から隔離し、全く新しい環境下に置き、わりと短い期間に、(自分や世の中の)あることないことを告白させる、というような方法。そうした心理を利用されての勧誘だと、とにかく自分がまともでないような気になってくる、正しい人間ではない、権力者に対して正しい振る舞いをしなかったかもしれないと、意味もなく負担を感じ始める)。罪悪感にかられて、それを無意識でにもなんとかしようと思う人間の心理を利用し、もっと働かせたり向上心を植えつけたり、募金させたりすることができてしまう。

西洋社会では罪意識を、東洋では恥の意識を抱かせる、とあるが最近は、実際には同じ相手に対してそのどちらも同時に使われている。


2 仲間集団の圧力。

あなたと同じような立場にいるひとびとにプレッシャーをかける。その人たちがするように考えたり行動したり、同じような服装をする。あまり快適でない環境(プライバシーがなく、睡眠時間もないなど、疲れて思考能力が低下し自分のやっていることにたいして振り返る暇を与えない)


 教え込み。

自分で考えることをやめ、リーダーの教えを文句なく受け入れるように条件づけされる。不衛生で食事の環境がふさわしくなかったり、疲れている人にとって、自分で考えるよりも誰か他のひとの結論を受け入れるほうが容易いから。多くのカルトは、「1テクニックを利用していた。というよりも、必要以上に罪の意識を抱かせる方法として、教祖や集団のために数々の悪行をこなすために同じような発想をする人は洋の東西をとわずいますよ、ということ。


4 魅力的に思えることを、全て先回りして行う。

(一時的にも)多くの人にとって共通に魅力的な、自分を100%肯定し、尊敬し、愛してくれる。誰でも親や先生や、従業員や、友人に好かれ、愛され、尊敬や称賛されたい、という気持ちを悪用する。



 価値観の刷り込み。

自分の家族や文化の旧い価値観をすべて捨てさせ、カルトの新しい価値観を植えつける。ふるいものは悪で、新しいものが善であると思い込ませる。

「伝統を新しい考えに照らして判断することを推奨しなければいけない。」カルトについて正しい知識をもつことはどんな習い事にがんばるよりも優先されるべきで、どもたちの安全のための親や社会の責務となるべきです。



 最後には恐怖を与える。

意味もない、得たいの知れない恐怖、説明のつかないものを持ち出し、霊魂の軍勢さえもあなたの家族を殺す、脅すという具合に。求めていたものと違う、現実をみたときに抜けようと思っても葛藤を起こし、とどまろうとする段階があるのは、この恐怖心が与えられているから



 このようなコントロールや説得にあわないために


学校や親、社会がカルトの潜在的危険性をもっと警告しなければいけません。とくに、矛盾を見破る方法を教えること。世界の飢餓を減らし、全世界に平和をもたらすと大風呂敷を広げていても、実際には物乞いをしていたり、隠れて保護をうけていたり、訪問販売員をやる役目もある、というような細かい手口もです

これは弁護士だけでなく一般市民にとっても重要で、社会が支持すべき宗教と、宗教の仮面をかぶった単なる金儲け団体や社会的政治的ネットワークを明確に区別することが大切です。すべての社会がこうした区別を行い、みんなに公表すべき。また、このことで困っても、助けてくれる専門機関やプログラムがあることをもっと宣伝すべきです。世の中に、さまざまな中毒患者を立ち直らせる機関があるように。



 


 人種や民族にかぎらない共通の話題


たとえば、自分のルーツとは違う土地や文化にふれたことがある人たちのほうが、本国にずっと住んでいる人よりも柔軟性が高いこともあり、このようなカルト問題も身をもって経験した人とお会いすることがありますが、ジンバルドー博士のように、このことを心から理解する外国人は世界中にいることを忘れてはなりません。多くの人靖国神社を残した人としか知らされていなかったであろうGHQのバンスというひとも、完全にカルト化していた戦時中の国家神道を解体し治療を施し健全な方向に戻そうと努力しました。彼らは、古来からある神社や寺院まで軽視したわけではありません。むしろ守ろうという姿勢を持っていてくれました。



組織や信者の特徴


教祖だけでなく、それを下支えする間接的な影響力をもつリーダーを備えて階級組織をつくり、それぞれに役割を与えて使命感を煽る・・・というのは会社組織でも同じだが、理念として極端な(非現実的な、ユートピア的な)理想主義思想をもっていて、それを遂行するためには手段を選ばない。洗脳状態にあると、自分の頭では考えないでマニュアルにそって動くロボットのようになっているため、その非現実的な目的のために訓練されているという発想に至らない。

見た目も小奇麗だったりして、常識的には不快なイメージをもたれないようにしているようだが、実際に彼らの集団や個人と接するといつも思うのは、普通の状態の人よりも表情が希薄で、魂を抜かれたような状態であり、個性がなく、どの人も同じような服装であったり、人の目を疲れさせるという色を多用し、人を騙すだけでなく日常的に騒音を出すなど、他人の嫌がることをすることでアイデンティティを保っているというのが共通しています。大人の言動として軽薄であったり、ヒステリックであったり、恩着せがましい態度だったり・・・礼儀をかいた節操ない状態の人も非常に多く、幹部クラスになると保身のテクニックもかなり身につくようで、まるで悪徳政治屋や中間管理職のようなイメージをうけます。




・いろんな国にある法律の専門家が「私たちは信教の自由は認めますが、人を欺き、不誠実で、破壊的なカルトから個人を守りますと公に宣言することが大切だと思います。









drecom_zuien_ji at 11:37|PermalinkComments(3)TrackBack(0)

2012年08月18日

Keyword by Philip G.Zinbardo,Ph.D.(1995)

(1)

さらに、ジンバルドー博士の
Lecture1995 日本)から引用。破壊的カルトに悩む人たちへの対処について

は筆者の補足。



・たいていのカルトは宗教的イデオロギーを持っていますが、日々の活動の性格は、より社会的で政治的です。カルトは、しばしば大きな企業であり、非常に営利主義的な産業である。と申しますのは、まず、宗教団体として通常は免税されています。無報酬の労働を利用できることもあり、支配関係を利用して財産や稼ぎの大半ないし全部を差し出すよう要求し、金銭を求め金儲けしたり、人を騙したりということに、多くの時間を費やします。



・入信する彼らは、たいてい家族や友人、それまでの組織を捨て、職業を変えたり、生涯をそのグループのためにささげようとします。極端な場合には、リーダー(教祖)のために喜んで自殺し、命を捨ててしまいます。


・人々がカルトの存在に気づくのは、何か特別な出来事がおこり、インターネット(匿名、一般)や新聞記者やジャーナリストが暴露たときだけです。しかし新聞に載らなくても、世界中のどの国でも、カルトはその影響力と数を増大しつつあることを認識する必要があります。彼らの多く弁護士チームを擁し、自分たちのグループが脅かされたように感じたら、いつも、報道した新聞社や雑誌社を告訴します。
―ジャーナリズムがカルトと闘う姿勢を見せないかぎり、不当な裁判が続き、時間も損なわれ、結果として国や地域が疲弊します。



・カルトでは、政治的社会的イデオロギーや、メンバーにやらせようとする活動項目が宗教的イデオロギーと混同されたり、宗教的イデオロギーに取って代わったりすることがあります。



誰かがカルトに入ってしまうとき、いつも私は、それは社会の怠慢であると考えます。




入信後の変化”


入信前には、非常に複雑な個人や社会、国家の問題がよく理解できないと感じていたが、カルトに入ると、それに対する簡潔な解決策が全て用意される、ということのようだ。(表現としては、精神的に永遠に生きることができるので死後も特別な階級や生が与えられる、金持ちになれる、というのもあれば、クジにあたる、のどかで平和な人生が送れることなどを具体的に約束するカルトもある。

 身の安全、住居の保証・・・つまり衣食住や仕事を与えられるため、国家経済が不安定なときに、自分ではお金を稼がなくてすむ、という短絡的で他力本願な発想で動いている。だから失業の心配がないと。ハローワークよりもそうした宗教に入ったほうが早いと思っているふしがある



グループ意識の積極的共有”


・自分で考えなくても誰かが考えたものに従うことが楽なので、そういう依存の欲求をもつ人も入りやすい。「自由からの逃走」(フロム著)という本では、世界中のあらゆる教祖や独裁者は、この交換条件をいつも利用してると述べています。多くの人がこの条件に応じるのは、成功しても失敗しても責任をとらなくてよいからです。・・・ですから、カルトが存在し発展しているそれぞれの国において、その文化圏の人に対し、カルトがどのような欲求を満たしているか?ということを理解することが大切と思います。(とくに)日本の場合は、集団主義的な部分が利用されているため、それを見こして入り口では宗教色を感じることがないようなシナリオがあらかじめ作られています。



親や祖父母のかたへ”

・(カルトから抜けて)戻ってきたときには、また元のその人に戻る・初期化するのではなく、親のほうも新しい現実を受け入れ適応する必要がある。

子どもや孫がカルトに入っているからといって見捨てないこと現実に気づくよう寄り添う、黙って見守る時間をもつこと。被害状況は千差万別で、カルトカウンセリングの専門家は、その人にあわせて必ずカスタマイズしてくれますから、心が折れないためにも人と比べないことです。
もし隔離されていて連絡がとれなくても、とり続ける努力をすること(距離や地域に関わらず、こういう場所に入った人との距離は非常に遠く感じるらしい、まるで都会や田舎や、まったく別な国に行ってしまったような感じをうけるようです)。逆に親や祖父母が入信している場合には、それをおきかえて読んでみるとわかりやすいです。家族まるごとという場合にあきらめないこと。まったくその人たちと無関係な人でも専門機関に通報しないかぎり地域社会がそれらに巻き込まれたままで地域まるごと洗脳されてしまうことでしょう。情を感じていない人のほうが、正しく通報できる場合もあります。カルトに入ってまで使命感を持たないよう、小さいころから家庭や職場で、お役目を与える努力を親もするべき。保護すべき子どもだけれども子ども扱いしない、ということだと思います。


変わったから、変わっていないからといって一々反応すべきではなく、いつもと同じように普通に接する。責めない。カルトではないにしても、おかしくなるきっかけが学校そのものであったり、習い事、塾、長期の休みや林間学校、修学旅行、遠足がきっかけの場合もあるので、子どもの人間関係や態度の変化に気を配る。学校で勧誘されるのがいやなら、いじめと同じで、無理に我慢したり、同じ場所に通い続ける必要はないものと考えます。死んでしまったら終わりです。(原因や理由がバカバカしければバカバカしいほど、被害を受けた人のショックも大きいことを家族は共感していると思いますが、もし社会人であれば、こういうことさえもハードルは高くなってしまう産業カウンセラーがサポートしないかぎり!)






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2012年08月16日

『消費者法ニュース』別冊 宗教トラブル特集より 2)



次に、同書の中と、一部インターネットのページから2012年現在も重要と思われるコメントをいくつか引用します。発言されている弁護士や教団名をかかないほうが広く一般には注意力が大きいと判断し、具体的には書いていません。むしろ伏せて書いてみたところ、その多くが実はどのカルトにも共通した手口であることが、かえって浮き彫りになってきました。一般にわかりやすいものとしては、錯誤、脅迫、詐欺、恐喝、拉致(連れ去り)、殺人、いじめ(嫌がらせ)、美人局(男性の場合もある)、脱税、資産隠しの手段として。



詐欺師の手口 http://www.geocities.co.jp/technopolis/9575/sagishi.html より
1、時間で追いつめる
2、欲をくすぐる
3、相手の弱みをつく
4、相手の知識不足を利用する
5、権威を利用する



                                                   “社会性を逸脱した勧誘行為”

借金を抱えている企業や個人だけでなく「資産家にも狙いを定め、所有不動産を売却させて、代金を金額献金させる。売却が難しければ、必ず返済しますと嘘を言って、所有不動産を担保に金融機関から借り入れをさせて、これを全額奪い取る。生活資金をすべて奪われ、自殺に追い込まれる被害者もいる。しかし、一部の教団では、それが理由で死んだとしても、信者は、あの世で高い地位にいけるから幸せである、この世の物はすべて教祖(とその家族・あるいは教団)のものであると本気で信じ込んでおり、後ろめたい気持ちなどみじんもない。」



国家権力への不当な介入”

国内外問わず、政府や政党そのものがカルト化していく場合もある。ひどい場合は法曹界、警察、自治体や議会の中にも入り込む。議員や公設私設の秘書など(国際勝共連合;International Federation for Victory over Communism)を経由して勧誘していく、議員本人が信者である場合には、政教分離をたてに誰も注意するひとがいなくなる状態で大変危険。



特定の支配関係を悪用する”

カルチャーセンターや学校の場合、生徒や先生が信者という場合には、より厄介で、専門カウンセラーや相談機関を通しても弁護士や警察が入らない限り、問題がもみ消される傾向にあります。防止ネットワークに加盟していても同じ。JSCPRに加入している教師たちの共通見解では、「カルト問題にとりくむことは教育機関の責務である」としています。組織や企業の場合は上司と部下の関係、取引先とのつきあいにつけこむパターンが多い。



錯誤、詐欺、脅迫に至るカラクリ”

・被勧誘者が迫られているのは、錯誤、詐欺、脅迫が対象としている一回的な位置表示ではない。それは、錯誤、詐欺、脅迫行為よりも違法性の低い、それだけを取り出せば違法とは評価できないような行為を何回も何回も多様に繰り返して意思決定への影響力を強め、宗教的要素を利用した害悪の告知を行い、経済活動(献金等)への同意をただちには求めなくてもそこにいたるまでに何段階にもわたって分解した段階的な意思決定をさせ、その決定によって各段階の教化を継続し価値観の変換をすすめるなど、錯誤、詐欺、脅迫よりもはるかに複雑で、狡猾で、その手段を綜合すれば、意思決定への不当な影響力が詐欺、脅迫よりもはるかに強い行為なのである。



よくある入信のきっかけ”

難病、(精神、身体、識字の)障がい、コンプレックス、借金、成功願望(極端な向上心)、名誉欲、転職、家庭不和、性的不満足、極端な貞操観念、中絶、不妊、世間体、(何らかの原因による)アイデンティティ損失、将来への漠然とした不安、家族や親や子に対する過度の期待(過保護)。選民思想、先祖崇拝や祟りを悪用するもの。罪の意識を極端に煽る。これらを解消する手立てであると思わせる。


外部的で規模が大きめのものには― 
メディアの濫用(広告を出す、印刷を請け負うなど)、愛国心やファン心理を利用する、国家の分裂状態や経済的不安定を悪用するもの、神の御使いと自称する、世界経済の破滅を煽る、地球滅亡、大震災、火山噴火を予言する、どこそこの国が攻撃してくるはずだ等、終末論的表現が目立つ。実際に暴動がおきて、本当に企業や個人が経済破綻している(いく)こともあり、放置していると結局よい結果にならない。
ただ、こういったことに悩んでいても、貧富の差に関わらず入信しないひとはしませんので、必ずしもその人を取り巻いている環境や経済的なことだけが原因ではない面もあります。



法律家の思考停止について”

もっともらしい理念を掲げて他人からお金を巻き上げることを許してはならない。ましてお金ばかりでなく、他人の人生そのものを掠め取ることを許してはならないと私は考えてきた。しかし働きかける側が宗教団体であれば難しい議論をしたり、思考停止に陥る人たちがかなりいる」(騙されるほうも悪い、という先入観もそのような思考停止)。
信教の自由を聖域化し、宗教活動の実態を検証しようとしない動き、宗教内の人間には基本的人権の保障が及ばなくとも構わないとする考えには根強いものが当時はあった。悪徳商法に取り組んできた弁護士の中にも当時は強く見られた。弁護士は事実の検証を怠ってはならない。



これからの課題”

知識人や法律家が聖域・タブー視しているものに実態検証のメスを入れるのが、弁護士の本来の責務と再認識すべきではないだろうか。
我々が同時に推し進めている作業は、彼らのような組織(教団名)がなぜ現代において生成発展するのかという社会学的な解明作業である。宗教がカルト化することを図らずも明示してしまった現代のわが国の社会、すなわち、オウム真理教という最悪の破壊的カルトを生み出してしまった現代の日本という社会であるからこそ、(こうした問題を)厳しく問わなくてはならない。
予測することは難しいが、新宗教運動は、現実の社会の動向とパラレルな関係構造において表出するものであり、言うならば時代の産物である。人々の現実への不安がある限り、彼らはそれを取り込むかたちで拡大していくかもしれない。彼らの犯罪行為について、きちんとした刑事罰を科すことも課題。
弁護士の主戦場は金銭の返還などであるが、カルト問題は、少年事件にも似た家族関係の調整事件でもあり、弁護士たちの業務にはカウンセリングの要素もある。さらに多くの弁護士の参加を望む。


日本特有の宗教事情と違法性判断”

欧米とは異なった事情として考える必要がある。日本の戦後の宗教行政は、宗教法人、宗教団体の活動に立ち入ることはしないという基本的スタンスに立ってきたが、昨今は宗教的な活動や宗教そのものへの国民的な共通認識の欠如が目立つうえ
・第二次大戦後に急成長した新宗教諸団体が政治に深く関与している現実。
・日本人特有の宗教意識として、先祖崇拝あるいは祟り信仰が厳然としてある。(因縁、タタリはプリミティブ、原始的な惧れの感情のこと)長らく、こうした日本人特有の宗教心を悪用した資金集めがされてきた。このような悪弊は、諸外国では例をみません。このような状況は美容業界、医療、スポーツ、アート、ボランティアの分野でも同じく見受けられ、その多くはファン心理や人の願望、善意を悪用するもの。廃仏毀釈を知らない世代も多くなったが、GHQが介入しなかったら、もっと酷くなっていたかもしれないという指摘もある。制度や法律の見直しについて脇の甘さが目立ちます。


カルト宗教の狂気と反社会性”

見えないものや人を「ある」とすることは、それを信仰するものにとっては絶対的存在であるのに対し、信じない人にとっては狂気とうつる場合もあります。人間の五感を超えて認識できないものを「ある」として、これを他人に押し付けようとすれば、押し付けられた側は大変な迷惑となり、ときに意に反する強制にもなる。(熱狂的すぎる信仰心は、それを信じない人たちからすれば異常で恐怖の対象にもなりえる)
とくに若い世代にとっての帰属対象としての共同体再生願望、ファッショ的な極端なナショナリズムへの再帰願望、というのも狂気につながりやすく、世界中のあちこちで見受けられ、いずれも反社会的な暴動に発展している 


脱会できる理由については信じたものや人への信用度が落ちるというのが多いが、一つのカルトを脱会しても、また別のカルトに行くケースもある。根本的な処方箋が足りません。


“司法的解決の視点”
日弁連は1999年に「判断基準」http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/1999/1999_13.htmlをだしているが、彼らも「重要なのは客観的行為態様を具体的に検討することである」「本人がそのとき納得していたか否かとか、同様の勧誘をされて喜んでいる人もいるなどといった主観的要素よりも、本人が受けた組織的働きかけが、社会的相当性を著しく逸脱していると認められるか否かという観点から評価することが重要である。」といっています。




・消費者契約法(
20014月施行)。事業者が、欺瞞的な勧誘あるいは重要な事実を告知せず消費者側の勘違いを悪用して販売行為をして契約に至った場合には、取り消しが認められる。その場合の「事業者」には宗教団体も入ることが前提となっている。

消費者保護条例 情報公開条例 改正貸金業法

・目的、方法、結果が社会的に相当と認められる範囲を逸脱しており、教義の実践の名の下に他人の法益を侵害するものは違法、不法である。→マインドコントロール、洗脳

・アメリカにおける、不当な影響力(アンデュー・インフルエンス undue influence)の行使による不法行為の成立、あるいは詐欺による契約の取り消し、贈与行為、献金行為の取り消しの判例、その他の判例の理論や判断基準は、日本における違法性の判断においても十分参考に値する。

Cf. 
公共調達の適正化について(2006年 平成18年8月25日) Ministry of Finance Japan
http://www.mof.go.jp/budget/topics/public_purchase/koukyou/koukyou_02.htm
多重債務者相談強化キャンペーン(2011年 平成23年) の実施について Financial Services Agency
http://www.fsa.go.jp/news/23/kinyu/20110901-2.html


脱会の成功事例をみると、入信したものの家族、とくに親、配偶者、子ども、孫の力によったものが多いです。いくら同じような正しいことをやっても、洗脳(影響)下にあるひとは最初から周囲の人の意見には耳を貸しませんので、カウンセラーや弁護士や宗教者の力は彼らの脱出させたい思いよりも、やはり弱いということがよくわかるのですが、それでも総合的にみると家族と専門家、両者の力をうまくかみ合わせてカウンセリングしているところが結果を出しているように思います。



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2012年08月02日

『消費者法ニュース』別冊 宗教トラブル特集より 1)

From Consumer Law News Feature on Religious Disputes 
Edit by Consumer Law News Committee, Osaka 2003 

 


私がこの本を購入したのも数年前ですが、
10年以上も前に指摘されている案件について動きがないどころか風化されつつあり、極めつけには国内外の教祖たちが東日本大震災や災害、政情不安定につけこんで布教に明け暮れ、政府が適切に対処しないうちに国益も損なわれ・・・という事態になっています。一被害者として、司法の進展、適切な法律の適用を望みます。



本書は、日本の最近の宗教被害の実態の紹介と宗教活動のあり方に関する資料及び判例をまとめたものです。宗教被害について、どのような場合に宗教活動の限界を超えて違法となり、どのような責任を負うべきかについて、これを明らかにし、今後の宗教活動のあり方についての資料の提供をすることを目的とするものであります。オウム真理教事件で殺害された坂本堤弁護士は、教団が「我々には信教の自由がある」と述べたことに対し、「他人を不幸にする自由など許されない」と答えていますが、坂本弁護士の言葉は、宗教により甚大な被害を受けた被害者への熱い思いを私たちに示してくれます。   消費者法ニュース発行会議 20039月 はじめに より



日本語のタイトルには主語がないものもあり(誰に対する、誰の、というニュアンスは中身にちゃんと書いてあるが)、ここでは裏表紙の英語版の目次から抜粋し併記しました(できるだけクロニクルに)。実際はもっと細かく、それぞれの被害者の方にとっては、この日付だけの出来事ではありません。一方で、これらにそっくりな教義を使う別な集団(模倣犯)が出てきたり、悪用されることもあるとのこと。手配犯が逮捕されたり、出頭したり、国際刑事警察機構が手配して拘束できたケースもあり、関心をもってみていく必要があります。


裁判所による決定   

判決、命令、宣告


Aum Shinrikyo (Subway Incident was 1995 H7.3.20)
1995 H7.10.30 Tokyo
1998  H10.2.13   Kyoto


Jehova
2000 H12.2.29  Supreme Court
2002 H14.8.7  Osaka


Life Space
2002 H14.2.5 Chiba


Hoh-no-hana Sanpou-gyou
2000 H12.4.28   Fukuoka
2000 H12.10.17 Tokyo

2002 H14.1.24 Wakayama



Koufuku-no Kagaku
2001 H13.6.29 Tokyo


Miho-no Yakata
2001 H13.10.23 Sapporo


Taido
2002 H14.2.15 Saga


Kaede-Juku
2002 H14.3.26 Miyazaki



Yamagishi -kai
1999 H11.3.31 Tsu, Yokkaichi
2001 H13.1.31 Tokyo
2002 H14.2.27 Tokyo


Touitsu Kyoukai UC
1996 H8.9.6 Kobe
1999 H11.2.16 Niigata
1999 H11.12.26 Fukuoka
1999 H11.10.30 Tokyo
2000 H12.9.14 Hiroshima,Okayama
2
001 H13.6.29 Sapporo
2002 H14.3.8 Tokyo
2002 H14.8.21 Tokyo
2003 H15.3.14 Sapporo
2003 H15.4.28 Tokyo

・・・・

2012 H24.5.24 Tokyo  



確率としても原理主義やテロリストはゼロにはならないといわれていますが、国内外の過去のあらゆる判決等が参考にされ、それを民間や自治体や政府が応用し対策に尽力しないかぎり、この種の宗教犯罪は蔓延り続けます。創価学会(SGI)、オウム真理教(現アレフ)、摂理(JMS)、CARP、富士大石寺(顕正会 FujiTaiseki-ji called Kensho-kai, ultra Fundamental of Nichiren-Shu as Nichiren-Shoshu and Soka Gakkai) 、親鸞会(Shinran-kai ―this group is NOT traditional Jodo-Shinshu)、Nenbutsushu、幸福の科学、GLA、旧ホームオブハート(レムリアアイランドレコード)、など


・具体的被害が専門機関に寄せられているもの
・過去に裁判があった、または現在も裁判継続中
・現在もなお住民から反対されているもの
・模倣した集団がある
・詐欺や脅迫などの犯罪が見受けられる組織、教団


については、いまだ多くの問題をうけて、行政から指導されたり訴訟が行われたりするところもあります。規模に関わらず、そのほとんどは多くの人々が懸念するように「国家権力への著しく不当な介入」「治安維持の妨害」という視点からも危険性が指摘されてきました。


しかし、たとえ宗教や政治に興味のない人であっても、神仏の存在や現代医学を否定してしまっている人であっても、愛国主義者であってもそうでなくても、このようなセクトに巻き込まれる可能性は十分にあるのです。誰でも洗脳にかかることがありえる、というのと同じです。関連会社、学校、各種講座(セミナー;コーチング、占い、啓発)、ペーパーカンパニーやダミー会社を介在させながら発展している場合も気づきにくい。「エセ同和」や「信教の自由」をたてに裁判をおこすものもいますし、日ごろの指導や監督の不備からか、脱会者が国を相手どって訴訟という事例も、少なくありません。


巻き込まれたくない、心配な方はwikiに匿名で問合せ・通報したり、最寄の政党、議員の事務所にお問い合わせください。面倒に思わず、こうした案件に真剣に対峙する方であれば信頼してよいと思います。被害者の方も指摘しているように統一教会と関係のある代議士にリストアップされている方もいますので、お住まいの地域で該当するひとを見つけた場合には、本人に説明を求めることは有権者として当然の権利と思います。消費者センターや弁護士、警察へ通報することも効果的ですが、相談した相手が信者だった場合には、かえって危険です。まずは自分の家族や友人知人相手に、改めて宗旨をたずねてみるのも、よいでしょう。



参考
宗教トラブルに取り組む基本的視点“Viewpoints to tackle with Religious Trouble”
Japan Federation of Bar Associations opinions about religious disputes (1987- )
Opinions- The Policy for relief of the consumer damage in connection with antisocial religion activity. (1999-)http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/1999/1999_13.html


Cf.
EC Council  1984
U.S.A (ABA http://www.americanbar.org/aba.html) /MPDL 1995
Assemblée nationale,http://www.assemblee-nationale.fr/rap-enq/r2468.asp. France 1995
Tokyo-to, Japan 1996
The House of Representatives, Belgium 1997
Y.Koizumi,Kounan University, Japan 2006


騙されるほうも悪いのでは?と思う方は以下をお読みいただいて、問題に対しての偏見や先入観を取り払ってもらいたい。


1被害者の中には、(そもそも)宗教に親和性をもっていない人がいる。

2被害と宗教とは(最初は)直接に関係がない状態である。実際に、多くの判決でも言及されているとおり、カルトは「正体を隠して」勧誘します。正体を明かすにしても、被害者を脅迫しきってからです。

3 被害者には何の落ち度もない。そのようなカルトは勧誘の段階で被害者の悩みや不幸を巧みに聞き出し、それを煽り立てて、入信(入会)や献金等を強いるため。


消費者法ニュースから発行されただけに、騙されるほうが悪いことはありません、ということについて、宗教がからむ詐欺などの犯罪については特にそうだよ、というニュアンスもあるかと思います。宗教そのものに対して細かなところで知識が脆弱になっており、また、フィーリングだけで構わないと気分で信仰をするひとが増えたという背景があるのではないでしょうか。戦後生まれの現代人に多いとききます。UC(UCI)に関してだけでも弁連への相談件数は1987-2002の間に約23,000件(そこから10年ほどたっているが、被害はおさまる気配なし)。被害金額は、その時点で約848億。その他のカルト教団による和解攻勢も増えてきているし、いくつかの教祖は、なぜかどの人も危篤か高齢や病気によりオモテに出ないとしており、後継者や幹部、メンバーが教祖の臨終にかこつけてまた信者を増やし金銭をまきあげようと画策しています。教祖やメンバーがミイラになっても死体になっても崇拝する教団は、日本にも事例があります。

日本や東京が38度ラインであるとし、祖国統一のために勧誘する人をみかけたら、どうぞ注意を。誘いにのらない、無視する、invitationがきても断る。教団の施設もあるのならホテルや体育館、コンサートホール、公共施設の側が簡単に貸してしまうのも問題です。伝統的なクリスチャンであれば、逆に自分のかよっている教会のパンフを相手にわたすなどして、対策してください。




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2009年05月14日

新学期の勧誘に注意!(news)

 入学入社シーズンの最中ではありますが、新しい生活環境になっている
あるいは離れて暮らすようになったという方も多いことでしょう。
 メディアや学校関係者も対策をとっていますが、何かのときには学内に窓口を探し、このニュースを思い出して相談してください。ネットワークをつないでいる先生や日本脱カルト協会の専門家・弁護士さんが力になってくれます。
続きを読む・・・欄をクリックすると記事全文を閲覧できます 
 そのほか、高齢者相手の詐欺にからむもので、僧侶が書いた文字や掛け軸だと偽った作品などのコピーが出回って、売られていく過程で消費者が犠牲になり、伝統的な宗教業界への業務妨害ともいえるケースは多くあるそうです。仏陀や観音様などの仏像、聖像、歴史や作品は、どのような便利な世の中になっても、インターネット上では見ることふれることはできません。博物館、美術館や寺院、教会、神社の中で「拝観」してください。
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